金継ぎのはなし その①

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うつわ金継ぎ

金継ぎをはじめて8年ほどが経った。

私にはとても大切で捨てられなんかしない器がたくさんある。
陶芸家の家に生まれ育ち、家で使う器は、父や母、自分が作った器がほとんどで思い出がたくさん詰まっている。その中には子供の頃に使っていた器もある。
器の扱いは、子供の頃から自然と丁寧が身についていて、ほとんど割ったことはない。けれど、毎日毎日使っていると、たまには割ってしまうこともあるのが人間というもの(・・;)


でも、そんなずっと大切にしてきた器をそう簡単に捨てられなくて、どうしても金継ぎを修得して直したくなった。

京都には、金継ぎ教室なんかもあったけれど、何回も何回も通えないし…
まずは本を買ってみた。「初めての金継ぎ」という本だった。
金継ぎをしている知り合いに少し話を聞いたりして、お得意の独学でやってみる事にした。道具を揃えた。最初は、東急ハンズへ行き簡単に出来そうな本漆を使わない金継ぎをやってみた。繊細さもない、決して美しいとは言えない出来だったけれど、直して使えるようになるだけでとても嬉しかった。


それから、本漆を使う金継ぎをやってみようと、材料を揃えた。


なんと致命的な出来事が起こった。

わたし、極度に漆(うるし)に弱い(被れる)人だった。  

漆を扱うにあたいしないと言ってもよいほどに、弱すぎた。

子供の頃から、毎年のように漆に被れていて…こんなにいつも被れているのは私だけだった。
大人になり、マシになったかな?と期待をしたが、まったくそんなことはなかった。
手袋を厳重にし、慎重に慎重に、それでも年に何度かは被れてしまう。
それが、最悪なことにとても酷く被れてしまうから、我慢できないほど、極度にかゆい。
もう痒くてどうしようもなくて、病院へ駆け込む。先生に「漆は被れる人にはキツいから、強い薬じゃないと辛いよ。」と…もらったステロイドの塗り薬を仕方なく塗る始末。

こんなに被れても、やめられないのが金継ぎ。
やめたいと思ったこともない。
なんなら、次は大丈夫な気がしてしまう…ポジティブとも言うが、バカとも言う。

たぶん…
器への想いがとても強くて、器が好きすぎて、
壊れたのに直して、また復活した時の嬉しさ…

そら、やめたくないやん。

あともう一つ思うところがある…

こんなに被れてしまう漆に妙なご縁を感じているのと同時に、
漆の働きっぷりは素晴らしくて、塗りの美しさにうっとり。(もうこの時点で被れていることなんか忘れているよね(~_~;))結局のところリスペクトしている存在ということになる。
ここまでいくと妙な縁があるとしか思えない…w

…被れてあんなに辛い思いをするくせにね。そこまでバカな自分すら嫌いじゃない…という致命的な展開。
(~_~;)(・_・;(−_−;)

だから、今日も金継ぎの作業をしています。



…つづく…
(金継ぎで集中力を使いすぎ、電池が切れました。また明日にでも続きを書きますw)

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